F2とF3 2015 5 2
日本は、親米国家とされ、
日本人も、総じて親米と言えるでしょう。
だから、日本の自衛隊も、そう言えるでしょう。
しかし、航空自衛隊には、微妙な距離感があります。
それは、F2問題にあります。
F2とは、日本の戦闘爆撃機のことです。
当初、この戦闘爆撃機は、日本が独自開発する計画だったのです。
しかし、航空自衛隊に言わせると、
アメリカから「横やり」が入って、
(正確には、アメリカ議会の干渉によって)、
「日米共同開発」になってしまったのです。
当時、日米間においては、
「貿易摩擦」という大きな問題があり、
日本製品が大量に輸入され、アメリカの製造業に大きな影響が出ていたのです。
当時のアメリカ議会は、労働組合主導の議会、
つまり、労働組合の支援を受けた議員が多かったと思います。
日本と違って、アメリカの労働組合は巨大であり、
政治的な影響力も、巨大です。
日本では、あまり報道されませんが、
アメリカ政治を理解する上で、
「労働組合が支配するアメリカ」という側面も忘れてはいけません。
結局、F2は、日本の独自技術が多く盛り込まれましたが、
外見は、アメリカのF16戦闘機をベースに開発しましたので、
F16と似たようなデザインになっています。
一般の人が見れば、日本もF16を輸入したのかと思うでしょう。
さて、21世紀になっても、
航空自衛隊の不満がありました。
それは、航空自衛隊が切望したF22ステルス戦闘機を、
アメリカ議会が輸出禁止にしたことです。
その理由は、労働組合ではなく、
ステルス技術をアメリカ国内に留めておきたかったからと言われています。
実は、F22に関しては、ステルス技術よりも、
その飛行や運動能力にポイントがあります。
ステルス技術だけならば、日本も開発可能です。
今度は、アメリカから見れば、
「日本では、ステルス技術は開発可能だが、
さすがに、日本の技術でも、
F22のような『特殊な運動能力』は開発できないから、
日本のF3は、勝手にやってくれ」という感じでしょうか。